織田家の長男に生まれました

織田家の長男に生まれました

 小説家になろう

 小説家になろうで現在(2018/2/10)連載中、宝島社より単行本発売中。
 以下の感想は小説家になろうで連載中の感想です。
 
 更新頻度は比較的早め。ジャンルとしては歴史人物転生系。但し、無双する類ではなく堅実に戦っていくタイプ。
 文章としてはライトノベルというより、実際の歴史小説に近い文章の書き方で、なろうとは思えない文章力。なろうの読者層からは少し離れている書き方なのではなかろうか。
 とはいえ、かなり砕けた物言いが出てくる事がありますので、そこらへんは堅苦しい歴史小説とは違うところです。

 最近、ジャンルとして確立しつつある、歴史人物転生系ですが、羽柴秀次に転生した、腕白関白以降の作品については、あまり知らなかったです。しかしここ最近は、この作品含め、多数見つかるようになっています。
 
 織田信長の父、信秀の長男であり、嫡男ではない、信広の物語。織田信長という戦国時代の中心にいた武将の兄として、どう生きるのか。成り代わるのならば、信長でいい話ですし、協力するという形でも、兄というのがネックと。
 そして結果は、安祥家として家を立て、主家織田家を盛り上げていく形に。

 話の展開にしても、そういう道を行くのかと、感心できる部分が多数あり、文章力も高く、反三国志等、転生ものですが、歴史if小説としてみても、問題ないレベルのものだと思います。
 歴史考証については、そもそも自分にそんな知識がなく、気にしないのでわかりませんが、あきらかにそれはおかしいだろう、という描写も出てきていません。

 総じて、なろう作品ではありますが、なろう転生系の他作品と違い、無双系ではなく、爽快感を求める方には合わないでしょう。逆に普段なろうを読んでいて、最強系はいいけど、もう少し文章力がまともな物が読みたい。という方にはお勧めなものです。
 過剰な強さはなく、ほとよく最初から強く、また読むのに矛盾や文章力の低さからくるイライラはなく、普通に読み物として読む事ができる。

 読んでいて、ネックとなった部分は、マイナー武将含め、登場人物が多すぎる点。
 特に三河での争いになると、松平多すぎで、さすがに覚えるのが億劫です。結果、文章を読み飛ばしながら、読んでしまう場面も発生します。
 その点だけは、もう少し、そこまで重要ではない武将は、武将名等を省略して、書き方を工夫しても良かったのではと思います。

 後は個人的な思いですが、三河を主としているだけに仕方ない事ですが、年代的な事も有り、有名武将がなかなかでないです。
 所謂徳川四天王とかは、まだ先に年代なので、出てきてるとしても親世代。しかも、元康健在で復興見込みだとしたら、配下にならなさそう。
 有名人オールスターを配下に、とまでもは思わないにしても、もう少し有名人が欲しいかな。

 しかし、あの武将は女性である必要性はあったのでしょうか?女性同士で婚姻していますが、史実の子供たちはどうなるのでしょうか。そこらへんを、考えてないとは思えないので、今後が楽しみです。

読もう

Posted by asaki